001 Vaimo11

40枚もの紙を普通に綴じる。

今回ご紹介するのはMAXのステープラーVaimo11です。
このステープラーは、ハンディタイプでありながら、従来の小型ステープラーの約2倍にあたる40枚もの紙を綴じる事ができます。普通の「倍も」綴じられるから「バイモ」というじつに安直なネーミングですが、実際に使ってみるとその凄さに驚かされます。
仕事などで書類を綴じようとして、枚数が少し多すぎてうまく綴じられずにイライラしたことはありませんか?会社にはしっかりした大型のステープラーがあるかもしれませんが、わざわざ大きいのを借りに行くのも面倒だし、だいいち大きいのは重いし力も要るし・・・
そんなときVaimo11なら、普通のステープラーと同じように引き出しからサッと取り出して、いつも通り、片手で簡単に今までの倍の厚さの書類をラクラク綴じる事ができます。でもどうして?今回はその知れば知るほどタダモノではない秘密に迫ります。

針が違う。

普通のハンディタイプのホッチキスはだいたい20枚、最大でも26枚までしか綴じることができません。これは、針の足の長さが短いためでこれ以上は物理的に不可能です。一方、中型のステープラーの針(3号)は、丈夫で少し長いのですが、針そのものが太く(断面積は10号針の約2倍以上)紙を貫通する際の抵抗が大きく、綴じるのに強い力が必要になり、本体もそのぶん大きくなってしまいます。そこでVaimo11のために開発されたのが、太さは小型の10号と同じで長さは大型並というすらりと細く長い足を持つ専用針「11号」なのです。

歯が違う。

長方形の歯で押したのでは針の肩の部分を押せません。そこで、歯の左右にある「鬼歯」が針にフィットしてまっすぐ押し出します。

新開発の11号針は、細いから貫通抵抗は少ないのですが、そのぶんとてもデリケート。40枚もの紙を貫通させるためには、ものすごく正確に針を押さなくてはなりません。ほんの少しでも斜めに力が加わると、華奢な11号針は、紙を貫通できずにくしゃっと潰れてしまいます。そこで、Vaimo11の歯は、普通のホッチキスにはない、鬼歯という突起がついています。これは針を押す歯と針の肩の間に隙間ができないようにぴったりと押さえて、針の足を正確に真下に押すための工夫です。

軽い綴じ心地の秘密は二重テコ

いくら11号針が細いと言っても、これまで20枚を綴じていた針(10号)と同じです。その針で今までの倍もある40枚の紙を綴じるのですから、これまで以上には力が必要なはずです。でも使ってみると不思議なくらい軽く綴じられます。これはいったいどういうことでしょう。じつは、このVaimo11には、ちょっと変わった形でテコの原理が応用されています。

普通のホッチキスは握るときに親指で押す部分の真下に針があって、押した力がそのまま針を押し出す力です。でもVaimo11は、親指で押す部分と針の間に大きな隙間があります。親指で押した力は、そのまま針を押すのではなく、ホッチキスの根元に近い部分を押します。この時、力がかかる力点と作用点の支点からの距離は約9:1。テコの原理から、この根本に近い部分を押す力は、約9倍になります。

しかしここで針を押すわけではありません。ここを押す力で、実際に針を押す部品を根元付近で押します。今度はさっきの逆で力が弱くなるテコなのですが、実は中心がずれていて距離の比率は、1:4.4と、さっきより比率が小さいので、9/4.4=2.05と、結果的には約2倍強の力で針を押すことになるのです。テコをそのまま伸ばすと本体が長くなりすぎてしまうので、テコを一旦折り返すことでコンパクトなボディに収めているのです。

フラットクリンチで紙がかさばらない

Vaimo11の綴じ方はフラットクリンチ。針を徐々に曲げながら綴じていく従来型のステープラーは、紙の裏側で針が山形に盛り上がってしまいますが、Vaimo11は、針が紙を貫通した後に一気に叩いて曲げるため、針が平らになります。ほんの小さなちがいですが、綴じた束をたくさん重ねてみるとその差はたしかにあります。

しっかり開いて針が入れやすい。

ホッチキスの針を入れるとき、本体がバネで閉じようとするのを片手でおさえながら作業するのはちょっと嫌ではありませんか?Vaimo11は、本体がほぼ180度開いたところで止まる設計になっています。これなら、机の上で一旦本体をしっかり開いて、針をぽんと載せるだけでセットできます。ちなみにこのとき、このホッチキスの上下の部品は、本来の間接から脱臼した状態になっていて、閉じるとまた元に戻るようになっているんです。

他にも工夫がてんこ盛り

ホッチキスは、薄い書類を綴じるときと、分厚い紙束の時では、綴じるときの本体の上部分の角度が異なります。そのため、紙を撃ち抜いた針の出てくる角度も若干ですが異なります。Vaimo11はフラットクリンチ方式で、貫通した針を正確に叩いて曲げなければならないので、クリンチャー(針を受ける金具)が、針の位置に応じて正確に当たるよう、二段階の角度になっています。

針を正確に押し出すためには、打ち出す前の針を正確にガッチリ押さえる必要があります。Vaimo11の針押さえは、プラスチックの塊ではなく、左右に鉄板がはめられていて、正確に針の端面にあたります。そして針を押し出すバネも、針の残りが少ないときでも多いときでもしっかり押せるよう、強さの違うバネが二重になっています。

 

普通のステープラーよりも針の足が長いので、針を抜くときも、工夫が必要です。針を抜くヘラの上に、針を押さえる板があり、片方の足が抜けても針がスルッと抜けないようになっています。これで、左右に捻って片足ずつ引き抜くことができるのです。

 

誤った針を使わないように

Vaimo11に使われている新開発の11号針は、これまでの小型ホッチキスに入っている10号針とは互換性がありません。そこだけはご注意ください。もし、箱から出してしまって、お手元の針がこのVaimo11に使えるかどうかわからなくなったら、Vaimo11をひっくり返してみてください。底の部分に針の形に凹んだ部分があります。ここに針をあわせて、ピッタリ合うものはつかえます。合わなければそれは他のホッチキス用の針です。

綴じる工夫がぎっしり詰まっている

ホッチキスとしては異常なほど部品点数が多いVaimo11。針を軽くまっすぐ打ち込むために徹底したつくり。

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